あらすじ
異世界で「名君の器」と称えられた王太子アルスは、
視察中の不慮の事故により、現代日本の横浜へと転生してしまう。
魔力なし、剣もなし。路地裏で干からびかけていた彼を拾ったのは、
掃除屋の肝っ玉おばちゃん・松代だった。
「羽柴一太郎」という名を与えられた彼は、
松代が渡した一冊の魔導書――
『Excel2026:関数・マクロ完全攻略』と出会う。
「素晴らしい。詠唱(マクロ)に頼らずとも、
論理の糸を編むだけで世界が定義されていく。これぞ情報の錬金術だ!」
元王子の圧倒的な学習能力で「エクセル」という名の現代魔術を習得した彼は、松代が所有するブラック企業『アルファ不動産』へと潜入することに。
そこにいたのは、
「根性が足りねえんだよ!」と叫び、
アナログ作業を強要する無能なパワハラ上司。
「数字に感情は不要だ」と言い切り、冷
徹にリストラを断行しようとするエリート合理主義者。
泥沼の組織を前に、王子の瞳に騎士の誇りが宿る。
「民を切り捨てるのが貴殿の論理か?
ならば、私の『人の通う数式』で、その鉄の城を打ち砕こう」
これは、魔力ゼロの元王子が、エクセルの深淵(パワークエリ・DAX関数・未来予測)を駆使して、疲弊した社員たちの「笑顔」と「定時」を取り戻していく、逆転の再就職物語。