あらすじ
伏見音葉は、虫も殺せない。
主人公、斎藤 唯は親友の伏見音葉のことが気になっている。
誰にでも優しく小さな虫にでさえ声をかける彼女は、そのことで周囲に気味悪がられいじめを受けていた。そんなある日、唯は友人から音葉の過去についてのうわさ話を聞く。小学校の頃、音葉が虫の羽をちぎって遊んでいたと。
そのような噂を信じられない唯は後日音葉に尋ねるが、彼女は周囲を癒す不思議な力があり、そのせいでそうした噂を立てられたことを明かした。おおよそ人のものとは思えないその不思議な力に、唯を距離をとり身を引こうとする音葉だったが、唯は彼女を嫌うことなく二人の仲はかえって深まった。
しかしさらに後日、その能力のことを知ったいじめっ子の喜多崎は、音葉を呼び出しカッターナイフで威嚇する。止めに入った唯と喜多崎、音葉はもみ合いになり喜多崎は誤って自らの首を切ってしまう。
大量に出血し、倒れる喜多崎。唯はとっさに音葉に彼女の首を抑えさせ、自らは教師を呼びに走った。救急車を呼び唯が教師らと現場に戻ると、喜多崎はまだ意識を保っていたが、音葉を離れさせるとこと切れてしまう。
おびただしい血が流れ、唯が戻るまで二時間もかかったはずなのになぜ、喜多崎はその間生きていたのか。事態は混乱し問題はうやむやになってしまうが、そのせいで唯や音葉は校内で孤立してしまう。
数年後、力の強まり成長の止まった音葉と唯は同居していた。唯は音葉の力が自分や周囲のものを死なせず、彼女に縛り付けているのだと自覚するが、もはや自分から離れようとは思わなかった……終わり。