あらすじ
「魔法なんて、ただの出来の悪いプログラムやわ。知らんけど」
東京・府中の片隅で古道具店『三枝堂』を営むヒロインは、かつて大手IT企業で辣腕を振るったソフトウェアエンジニアだった。彼女には、魔法の吉凶を「音」で聞き分ける特殊な聴覚がある。彼女にとって、呪われた魔導具の鑑定は、スパゲッティコードをリファクタリングする作業に過ぎない。
一方、彼女の元に厄介事を持ち込むのは、幼馴染のトレジャーハンター。
彼は、幸運の予兆を「花びら」として視認し、破滅の未来を「異臭」として嗅ぎ分ける特殊能力の持ち主。だが、性格は超絶ポジティブ。酸っぱい臭いが漂っていても、「やってみて、全力でやるしかないだろう!」と泥沼に突っ込んでいく。
「最高の結果」が見える男と、「最悪の過程」が聞こえる女。
水と油のような二人は、深夜のMMO『ヴァナ・ディール』で正体を隠して傷を舐め合いながら、現実の世界では現代日本に潜む「バグった魔法」をデバッグしていく。
すべては、数年前の事故で「再帰ループ」の彼方に消えた、共通の友人を取り戻すために。
論理(ロジック)が神秘を暴き、言葉(マルチリンガル)が境界を越える。
府中から世界へ、そして仮想世界の深淵へ。
二人の「未踏遺構(インスタンス)」攻略がいま、幕を開ける!