あらすじ
「聖女様……いや。あんたに名前はあるのかい?」
半年間、誰にも聞かれなかった問いだった。
断罪の後、王子に選ばれたはずの聖女イリス。
けれど王子領は崩壊し、イリスは名前も呼ばれず治癒の光を注ぎ続けている。
治しても治しても、人が壊れる仕組みは——治せない。
同じ空の下、別の領で鐘が六つ鳴る。
リーゼロッテの領地では誰もが定時に帰り、笑顔で家路につく。
花束を持って通い続ける辺境伯と、定時後の静かな執務室。
定時の鐘は、届かない。
届かない場所にも、いつかこの音が届く日が来ればいい。
※本編(N6958LY)の後日談です。
前半:聖女イリス視点/後半:リーゼロッテ視点の二部構成。ハッピーエンド。