あらすじ
六回殺された。六回目を覚ました。そして七回目の朝が来た。もう最後の一回だ。「終焉の魔女」リゼは、世界を滅ぼす災厄として生まれ変わるたび、聖騎士に討たれる運命を繰り返してきた。感情はとうに枯れ果て、魔法からは色が消えた。辺境の村で名を偽り、誰にも心を開かず、ただ静かに最後の死を待っている
「なぜ君はそんなに死んだ目をしている?」
聖騎士に選ばれたユリウスの体に刻まれたのは、魔女を殺せと囁く紋章。守りたいのに斬りたい。相反する衝動に引き裂かれる彼に、リゼは月明かりの下で告げる。
「わたしは終焉の魔女。あなたが討つべき世界の敵よ」
「俺はお前を殺さない」
「そう言った人は、前にもいたわ」
七回目の人生で初めて流れた涙の意味を、リゼ自身はまだ知らない。