あらすじ
補助魔法師の青年レオンは、同じ対象に魔法を重ねがけできる「限界突破(スタッキング)」という異能を有していた。しかし、その力は当時の小隊長から「対象に負荷を強いる呪い」と断じられ、制御不能な特異個体として部隊を追放されてしまう。 居場所を失い、自らの力を恐れながら森を彷徨っていたレオンは、魔獣ダスクウルフの群れに包囲され絶体絶命の危機に陥る。そこへ現れたのは、訓練場で彼の力に唯一関心を示していた女騎士エリシアだった。
エリシアはレオンの魔法を「面白い」と評し、信頼を寄せて支援を求める。レオンが彼女に三重の強化魔法を施すと、エリシアは肉体の限界を超えた神速の剣技を発揮し、魔獣を圧倒した。 戦闘後、レオンはエリシアが率いる少数精鋭の駐屯地へと招かれる。そこには斥候のカイル、弓手のリナ、重装前衛のガルドといった、個性的だが実力ある仲間たちがいた。
翌日、レオンは自身の力を試すためのテストに臨む。スタッキングは単なる強化に留まらず、対象者の特性(速度、精密さ、頑強さなど)を劇的に引き出す特性があることが判明する。 その直後、王都の補給路を脅かす上位種の魔獣が出没したとの報が入り、レオンは隊の一員として初の実戦に挑む。
激戦の中、レオンは仲間一人ひとりに最適な強化を配分し、さらには無意識のうちに新系統の補助魔法「センス・ブースト」をも発動させ、戦況を完璧に読み解く。 彼の支援により、隊は上位種を撃破し、無傷で勝利を収めた。かつての部隊で「無能」と蔑まれてきたレオンの魔法は、この隊にとって欠かせない「要」となったのである。
戦闘を終え、夕焼けに染まる駐屯地で、エリシアはレオンに正式な入隊を打診する。「君の魔法はこの隊に必要だ」という言葉に、レオンは初めて自分の意志で「お願いします」と答え、新たな居場所を見出す。 これは、自分を否定し続けてきた青年が、理解ある仲間と共に自らの真価を証明していく、最強への歩みの始まりであった。