あらすじ

第三王女ルシエナは“血の王女”の汚名を着せられ、公開処刑されるはずだった。しかし侍女ミレナの助けで脱出し、王都脱出の切り札である帳簿を抱えて逃亡する。彼女が国境の奴隷市場で買ったのは、敵国の元英雄カイル。王弟暗殺未遂の濡れ衣で売られた彼もまた、王権の都合で切り捨てられた存在だった。逃避行の中でルシエナは、飢饉支援金の横流し、孤児院や辺境への支援削減、敵国偽装を利用した物資差し押さえなど、王宮中枢の不正を掴む。やがて二人は王都へ戻り、兄エドガルの戴冠式で帳簿と証言を突きつけ、偽りの正統を崩して戴冠を止める。だがルシエナは玉座を選ばない。悪女でも正しい王女でもなく、ルシエナ・エルヴァルトとして奪われた冬と自分の名を取り返していく。帰る道を得たカイルもまた、命令ではなく自分の意思で彼女の隣に残ることを選ぶ。これは悪女にされた王女が、自分の名で生き直す物語。敵国の英雄との関係も静かに変わっていく。

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カクヨム
カクヨム2026/03/26
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