あらすじ

人間に恋をした天使、メフィストフェレスは、彼女恋しさに天上界から堕ち、人間の世界を彷徨い歩く。 しかし彼女との再会は彼にとって地獄の幕開けとなった。 人を呪い、神をも呪う存在となり、『光を愛さぬ者』となったメフィストフェレスは、古城を塒に眠り続けた。 しかし、ある時一匹の妖魔が人間の手から逃れ、メフィストフェレスの眠る古城へと迷い込む。 妖魔の名はイーヴァ。彼女は自分が人間ではないから蔑まれ、疎まれるのだと考え、人間になることこそが自分にとっての救いであるとメフィストフェレスに伝える。 メフィストフェレスは魔力を集め、イーヴァの額の宝玉が真紅に染まる頃、願いを叶えてやると約束をした。 歳月が流れ、イーヴァは 『古城のサキュバス』と謳われ人々から恐れられる存在となった。 彼女はキスにより人間から魔力を奪う。 人間になる事を夢見ていながら、人間から魔力を奪う必要があるイーヴァは、常に孤独を抱えていた。 自分の存在を否定し、孤独から逃れたいと考えた矢先、イーヴァを退治しに一人の男が古城へと足を踏み入れた。 彼の名はヴィートリヒ・クライバー。クライバー伯爵家の家長であるヴィートリヒは、実直な性格の持ち主だった。 王命としてイーヴァを討伐しに来たヴィートリヒは、討伐に失敗し、イーヴァを小さな子供の姿へと変えてしまう。 幼女さながらに泣き喚くイーヴァを前に困惑し、いくら妖魔とはいえ、子供に乱暴な事などできないと、ヴィートリヒは彼女を自分の邸宅に連れ帰る事にした。 しかしヴィートリヒは数々の妖魔討伐依頼に忙殺され、妻もいなければ人生を楽しむ余裕もない、寂しい生活を送っていた。 イーヴァはといえば、隙あらばヴィートリヒから魔力を奪おうと試みるが、ヴィートリヒは「幼女姿のそなたとは犯罪だ!」と、逃げ惑う。 次第にイーヴァはヴィートリヒの優しさに惹かれていき、人間になれなくてもヴィートリヒの側に居られるのならばそれで良いと思い始めるが——。

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小説を読もう2023/06/12
  • 現在の作品妖魔の幸福