あらすじ
三月の雨の夜、郊外のスーパーで働く女性は、苦手な同僚・由奈と二人きりの夜勤に入る。
距離感の近さと、どこか歪んだ言動に内心うんざりしていた主人公。
深夜、誰もいないはずの店内で自動ドアが開き、冷蔵ケースの前に“見えない何か”が現れる。
「食べたい」と呟く気配は、生きた温度を求めて彷徨っていた。
やがてそれは由奈に触れ、彼女の身体はゆっくりと崩れ、消えていく。
助けを求める声を前に、主人公はただ立ち尽くし――いや、意図的に動かなかった。
翌朝、店内の商品はすべて腐敗し、由奈の存在は最初からなかったかのように消えていた。
ただ一人、記憶を持つ主人公は思う。
「静かで楽だ」と。
その瞬間、冷蔵ケースのガラスに“残像”が映る。
――選ばれる順番は、すでに決まっている。