あらすじ
正解なんて出ない。だから、選ぶ価値がある。
気がつくと、俺は真っ白な謎空間で女神に「あなたは死にました」と告げられていた。
そして始まる、異世界転生おなじみの特典能力選び。
剣聖、賢者、全属性魔法、無限収納――いかにも強そうな能力が並ぶ中で、俺がなぜか気になったのは、ひとつだけ妙に地味な能力【選択肢】だった。
それは、何かを決める場面で“分岐候補”が見える能力。
ただし、最適解を教えてくれるわけでも、成功を保証してくれるわけでもない。
むしろ、ときどき妙に性格が悪い。
女神にも全力で止められたが、最強能力より面倒そうなその力の方が、退屈しなさそうだった。
そうして異世界に落とされた俺――神代湊の前に、最初に現れた選択肢は三つ。
【英雄になる】
【魔王になる】
【とりあえず様子を見る】
勇者も魔王も、どうにも忙しそうで性に合わない。
だから俺は、三つ目を選んだ。
これは、正解を教えてくれない能力【選択肢】を手に入れた、やる気低めな転生者が、勇者でも魔王でもない立場から異世界を眺め、巻き込まれ、たまに選びながら生きていく物語。