あらすじ
人でなし:人情の欠落した人、酷薄な人、冷酷非道な人、という意味で用いられる表現。人ならば誰しもが持ち合わせていると言い得るような優しさや思いやりの心を持ち合わせていないかのように振る舞い、他人には常に情け容赦がない、といった人を評する言葉として用いられる。
ーーー『実用日本語表現辞典』
その探偵と刑事――『人でなし』につき。
捜査一課の鼻つまみ者である『水無瀬』という刑事は、もはや超能力と呼べる域で犯罪の全容をプロファイリングする能力を有している。
しかしそれはすべて無意識下のこと。
普段の彼は小学生に喧嘩で負け、ちょうちょを食うほど頭が幼稚なアホである。
おまけに人の感情を理解することができず、模倣することでしか表現できないので彼の周囲にはいつだって悲劇がつきまとう。
その性質によって関わる者全てに不幸を振りまく純粋な彼を、警察の一部は揉み消したい案件の『事件終わらせ係』として利用していた。
「見て、バンビさん! 蟻!」
そんな暴走する核弾頭のような水無瀬を押し付けられている探偵がいる。
パペットを手にした小学生の姿をした合法ロリ探偵『小鹿ひばな』、通称『バンビさん』だ。
ジト目にぶっきらぼうな喋り方の彼女は、縁あって水無瀬の制御を任されている。
家賃と食費には勝てないのだ。
彼女は彼女で人でなしというやつだが。
『大の大人が「もん」とか言うな! お前、この前も期間限定バーガーLセット買ってきただろう。誰が食べてやったと思ってるんだ!』
そんな凸凹人でなしコンビは次々と事件を後味が悪い形で「終わらせて」いくのだが、ある時、二人の前に謎の『人間』が現れる。
「降りてきてよ、水無瀬くん。僕が立つ『人間』の舞台にさ」
そのカリスマ犯罪者は水無瀬の『友達』である。
そしてどうしようもなく『人間』であった。
『人間』と『人でなし』が衝突して馬鹿みたいに悲劇が起きる!
人が死ぬ!命が軽い!お前たちに人の心はないのか!?
サスペンスコメディの皮を被った絶対に推理をしない概念バトル地獄小説!