あらすじ
目が覚めると、そこは死よりも鮮やかな「隠世(かくりよ)」だった。
空には赤銅色の光を放つオーロラが揺らめき、星々は生き物のように蠢いては彼方へと吸い込まれていく。僕、佐藤蓮が立っていたのは、断崖に突き出した石造りの舞台。眼下には、大正浪漫と怪異が混ざり合った、眩暈のするような絶景が広がっていた。宙に浮く屋敷、柳の木から吊るされた長屋、そして街を彩る無数の狐火。通りを行き交うのは、着物を着た猫や天狗といった異形の者たちだ。
その世界の中心に、不夜城のごとく鎮座するのが「私立八百万学園」。僕の新しい居場所であり、逃れられない運命の舞台。
ここは、僕が見つけた、世界で一番鮮やかな恋の始まりだった。