あらすじ
生まれつき不運な星の下に生まれた大学生の八神。
彼はある日、路地裏の穴に落ちて、見知らぬ異世界の深い森へと迷い込んでしまう。
飢えと寒さで命を落としかけた彼を救ったのは、小型トラックほどもある巨大な銀狼。
その正体は、過酷な森で群れを率いる無口で屈強な獣人の王、ルヴァだった。
彼らの村は深刻な食糧難に喘いでおり、毎日石のように硬い肉と泥水のようなスープをすする日々。
農学部で土と植物を学んできた八神は、放っておけずに村の荒れ地を耕し始める。
すると、彼が持つ「オメガ」としての特異な体質が、異世界の大地に豊穣の祝福をもたらし、作物が信じられない速度で実り始めた!
八神の作る温かくて美味しいご飯は、村の子供たちに笑顔を取り戻し、孤独だったルヴァの胃袋と心を確実に満たしていく。
言葉の通じない二人は、共に土に触れ、ご飯を食べ、過酷な冬を越えるうちに、運命のつがいとしての強い絆で結ばれていき――。
これは、不運だった青年が異世界で誰かの生きる希望となり、無骨で優しい半身から極上の溺愛を受ける、美味しくて温かいスローライフの物語。
※本作にはオメガバース設定に基づく本能的な惹かれ合いの描写や、一部に流血を伴う戦闘シーンが含まれます。15歳未満の方や苦手な方は閲覧にご注意ください。
【登場人物紹介】
◆八神(やがみ)
二十歳の大学生。
オメガ。
農学部に所属し、植物や農業に関する深い知識を持つ。
生まれつき不運な出来事に巻き込まれやすい体質だが、持ち前の芯の強さと前向きな性格で乗り越えてきた。
料理が得意で、限られた食材から美味しい食事を作り出す天才。
異世界に迷い込み、ルヴァに拾われる。
彼のオメガとしての特質は、この世界では大地を豊かにする祝福の力として現れる。
◆ルヴァ
深い森の奥に住む獣人族の長。
アルファ。
二十代半ばの青年の姿をしているが、戦闘時や感情が高ぶった際は巨大な狼の姿になる。
無口で表情に乏しいため恐ろしく見えがちだが、内面は非常に穏やかで、群れの仲間を何よりも大切にする深い優しさを持つ。
行き倒れていた八神を保護し、彼の作る温かい料理と柔らかい笑顔に次第に心を奪われていく。