あらすじ

8月29日を迎えるはずだった朝、羽月湊は気づいた。カレンダーが、スマホが、窓の外の景色が——すべて二週間前に戻っている。 これが五度目だ。 大学生の湊は今、誰にも言えない秘密を抱えて港町・常葉にいる。記憶を持ったまま、同じ八月を繰り返している。そして何度ループしても、気づけば岬の麓の喫茶店「潮騒」へ向かってしまう。そこで働く凪原栞に、会いに行ってしまう。 理由は、自分でもまだ分からない。 栞は今日も湊のことを知らない。それでも湊には、彼女のことが分かっていた。四回のループで少しずつ集めてきた、彼女の断片が。 そして今日、湊は初めて彼女の名前を呼んだ。 「なんで名前、知ってるんですか」 答えに詰まった湊が絞り出したのは、我ながら最悪の一言だった。

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小説を読もう2026/03/25
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