あらすじ
地方都市のとある高校。
そこには、部活にも入らず、不良でもなく、ただ“暇を持て余した”五人組がいる。
無気力なのに妙に頭が切れるタケル。
ノリと勢いだけで動くユウジ。
冷静に世界を観測するミナト。
無駄に優しいマルオ。
そして、孤立していた不良・カズキ。
彼らがやるのは――どうでもいいことの検証だ。
「校内で一番バレずに昼寝できる場所はどこか」
「パンの袋を最も気持ちよく留める方法は何か」
「昼の校内BGMを変えたら、誰か気づくのか」
意味もない。役にも立たない。
それでも彼らは、無駄に本気で世界を観察する。
だが、その“どうでもいい行動”は、
いつの間にか、誰かの孤独をすくい、
誰かの日常を、ほんの少しだけ変えていく。
気づかれない音。
見過ごされる感情。
言葉にされないまま消えていくもの。
これは、そんな“日常の隙間”に手を伸ばす、
無駄な高校生たちの、ささやかな記録。
――俺たちの無駄が、世界を救うわけなんてない。
けれどきっと、誰か一人くらいは、救っている。