あらすじ
「僕が本当に愛しているのは雫、君だけだ」——夕暮れの畦道で、私は婚約者の裏切りを知った。
没落寸前の伯爵令嬢・柊木凛は、五年間尽くしてきた婚約者・桐生蓮司から婚約破棄を言い渡される。相手は借金まみれの男爵令嬢・花宮雫。「あの家は終わりさ」と嘲笑う蓮司に、凛は怒りよりも呆れを覚えていた。
なぜなら凛には、祖母から受け継いだ知識と、五年かけて書き上げた農業改革案があったから。
婚約破棄の直後、凛の前に現れたのは宮廷農政官・鷹宮悠真。祖母の最後の弟子だという彼は、凛の改革案に秘められた可能性を見抜いていた。
「貴女の価値を、正しく理解できる場所があります」
知識は誰にも奪えない財産——祖母の教えを胸に、凛は自らの力で運命を切り拓く。没落令嬢の逆転劇が、今始まる。
やがて王国を揺るがす農業改革を成し遂げた凛の元に、落ちぶれた元婚約者が涙ながらに現れるが——もう遅いですわ?