あらすじ

リリアーナ・ウィンターフィールドは、極度の上がり症を持つ17歳の剣士。 人前に出ると手が震えて剣すら握れない。パーティ「ブレイズ・エッジ」から「実戦で一度も剣を振っていない」と追放される。弁解もできない。言いたいことが山ほどあるのに、口からは「……別に」としか出ない。 逃げるように向かった先は、ダンジョン。人のいない暗闇の中なら、手は震えない。唯一の友達は愛剣「ルゥ」。名前をつけて話しかける。毎日通って、毎日剣を振る。——それだけが、息ができる時間だった。 フードとマスクで顔を隠してダンジョンに潜る彼女は、探索者の間で「動きが異質な謎の剣士」として噂になっていく。窓口でおどおどしている小さな少女が、噂の最強剣士だと誰も知らない。 そんな中、瘴気を撒き散らす新種ダンジョンが出現。A級パーティが束になっても30分で全滅する致死濃度の中、唯一平気だったのは——毎日ダンジョンの空気を吸い続けていたリリアーナだった。 「あなたにしかできないことがある」。優しい受付嬢・花守ほのりの言葉が背中を押す。追放を止められなかった贖罪を背負う元パーティメンバー・セレスティが「一緒に行く」と隣に立つ。 人前で剣を握れない少女が、人前に出なければならない使命と向き合う。 瘴気型ダンジョンの奥で、謎の人物ノクティルと出会い、コアの守護者との死闘を経て、リリアーナはついに人前で叫ぶ——「見ていてほしい。ボクの剣を」。 覚醒した一撃でコアを破壊し、世界を救った少女を待っていたのは、彼女を追放した男の崩壊と、「ただいま」と言える居場所だった。 ——剣を握っている間だけ、息をしていられた少女が、いつか剣を握らなくても息ができるようになるまでの物語。

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カクヨム
カクヨム2026/03/25
  • 現在の作品人前で剣を振れないボクは追放された。けど、一人で振れば最強で瘴気耐性もあったので、新種のダンジョンに潜って世界を救う。