あらすじ
高校三年の夏。
和樹はある日、自分が周囲の誰にも認識されていないことに気づく。
声をかけても届かない。
触れようとしても、すり抜ける。
世界から切り離されたような孤独の中で、ただ一人だけ――交差点に立つ女性だけが、なぜか彼の名前を呼んだ。
彼女は和樹のことを知っていた。
けれど、自分のことは多くを語ろうとしない。
奇妙な日常の中で、和樹は次第に彼女に惹かれていく。
やがて明らかになる失われた記憶と、ふたりを繋ぐ過去。
これは、世界から忘れられた少年と、忘れることができなかった女性が出会い直すひと夏の物語。