あらすじ
八月十六日。
私は、最愛の親友・水瀬潮の葬式に立っていた。
数日前まで、隣で笑っていたはずの人。
帰り道にコンビニに寄って、アイスを半分こして、どうでもいい話をしていた人。
そんな当たり前の日々が、ある日突然終わった。
泣きたいはずなのに涙は出なくて、
悲しいはずなのに現実感もなくて、
ただ蝉の声と、強い風と、夏の匂いだけが、やけに記憶に残っていく。
部屋に帰り、何気ないやり取りが残るメッセージ画面を眺めながら、主人公は潮と出会った日々を思い出していく。
中学一年生の春の出会い。
一緒に帰った放課後。
コンビニ、アイス、ゲーム、海、夏休み。
当たり前のように続くと思っていた日常。
――その時間が、どれだけ大切だったのかも知らないまま。
これは、
世界一の親友を失った一人の少女が、思い出と向き合いながら少しずつ前を向いていく物語。