あらすじ

婚約破棄され、実家を追い出された没落令嬢エリーゼ。 残ったのはお茶を淹れる腕と、清掃への異常な執念だけ。 王宮の遺物管理室で働く地味な日々は、でも嫌いじゃなかった。老学者たちに可愛がられな がら自分だけの清掃液を開発し、初めて自分の手で作った居場所だった。 ところがある日、管理室でドアストッパーにされていた塊を磨いたら、数十年間行方不明だ った国宝だった。 一夜にして国家の英雄。莫大な報奨金を狙い、かつて自分を捨てた元婚約者と親族が手のひ らを返して擦り寄ってくる。 そしてエリーゼを守るため、冷徹な王弟ユリウス閣下が取った手段は──王宮中の扉を書き換 えて、どこを開けても自分の執務室に出るようにすること。 外交問題は起きるわ文官は失神するわ浴槽はスープまみれ。それでも閣下は「論理的帰結だ 」と涼しい顔。 やりすぎる理由を問い詰めると、届いたのは『恒久的保護契約の必要性に関する論証書』。 仮説を一つずつ立てては棄却し、最後に震えた字で書いてあったのは── 「著者は対象者を愛している。棄却する根拠を、著者は持たない」 空間を捻じ曲げる天才が、感情だけはどうにもできなかった話。

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小説を読もう2026/03/25
  • 現在の作品没落令嬢がドアストッパーを磨いたら国宝でした ~「著者は対象者を愛している」と閣下に論証書で告白されました~