あらすじ
前世で過労死した社内SEの結城優人は、アークライト侯爵家の四男ユウトとして転生した。
しかし、8歳の鑑定の儀で授かったのは、攻撃魔法でも回復魔法でもない【権限管理(アドミニストレータ)】という謎のスキル。
「役立たず」の烙印を押された彼は、辺境の廃村『テラ』へと追放されてしまう。
だが、ユウトの内心は歓喜に満ちていた。
「やった! これで理不尽なブラック王宮から合法的に退職(ログアウト)できる!!」
辺境に辿り着いたユウトは、前世のITインフラ構築の知識と【権限管理】スキルをフル稼働させる。
魔物の侵入を防ぐ「絶対防壁(ファイアウォール)」を設定し、農作物の成長と収穫を「全自動化(クーロン設定)」。誰にも睡眠を邪魔されない、究極のホワイト労働環境(箱庭)を瞬く間に構築してしまった!
さらに、防壁システムのエラーログを通じて、なぜか魔王軍の最高幹部である竜姫イグニスと非同期の文通が始まり、互いに中間管理職の愚痴をこぼし合う奇妙な共依存関係に……。
一方その頃。ユウトという「無償の凄腕システム管理者」を失った王都では、老朽化した魔力インフラが次々とクラッシュし、国家崩壊の危機に陥っていた。
慌ててユウトを連れ戻そうと、王都軍が辺境へ押し寄せるが――
「定時(夕方5時)を過ぎてからのアポなし訪問は、すべてアクセス拒否(BAN)する主義なので」
王都のシステム崩壊など知ったことか。
これは、システム管理者としての権限を駆使して理不尽な世界からログアウトし、完全自動化された最強の村で、絶対に8時間睡眠を死守する男の物語。