あらすじ
王太子・ユリウスの背負うべき「痛み」を肩代わりする、
身代わりの守護騎士・アレン。
二人の身体は、魔方陣の刺青によって繋がっていた。
ユリウスが傷つけば、アレンの肉体が裂ける。
ユリウスが病に倒れれば、アレンが死の淵を彷徨う。
それは、忠誠という名の、残酷な「呪い」。
けれど、アレンはその激痛さえも愛おしかった。
自分の中に流れ込む琥珀色の魔力、そして、
自分を抱きしめ「ごめん」と泣く主君の体温。
それだけが、孤児だった自分を生かしてくれる唯一の光だったから。
「お前が僕の『死』を身代わりになったなら……
僕は、お前の『生』の身代わりになる」
王城を襲った反乱の夜。
アレンは主君を守るため、禁忌の魔術をその身に受ける。
しかし、目を覚ました彼を待っていたのは、絶望的な「奇跡」だった。
主君が命を削って捧げたのは、アレンへの永遠の命。
不老不死となった騎士と、彼にすべてを遺して逝った若き王。
冷たくなった主君を抱き、アレンは独り、
終わりのない時間の海へと漕ぎ出す――。