あらすじ
20××年。
機械や科学技術が急速に普及したこの世界では、様々なものが生み出されていた。
そのひとつとしてあげられるのがAID、正式名称を「アーティフィシャル・インテリジェンス・ドール」という。
柔らかな髪の一本一本から、不思議な魅力を持った双眸までの、全てが美しい人形たち。
当然美しいだけではない。店や工場で働くことは勿論、危険地帯の探索も、人工知能の搭載された彼らにとってはお手の物だ。
しかし、そんな美しく便利な人形が開発されていくうちに、その存在は軽いものとなっていく。本物の命ではないのをいいことに、「失敗作」と称された大量のAIDが捨てられるようになったのだ。
この街の路地裏にひっそりと置き去りにされた少女もその一つ。
名前もない。最後にいたのがどこかも覚えていない。
―――――そんな中、何もかも諦めていた彼女に手を差し伸べた一人の青年がいた。
~登場人物~
神代 綴 Kamishiro Tsuduri
何年たっても名前が売れない絵本作家。27歳独身。生活費は毎月ギリギリ。
路地裏で出会った人形「鈴蘭」と共に生活することになる。
鈴蘭 Suzuran
AIDにしては不器用な、外見は17,8歳程の少女。
美しい見た目なため様々な人間に拾われたが、結局すべての者に見放されて捨てられたところを綴に助けられる。
小野寺 純平 Onodera Jumpei
大手AID開発会社に勤めている。人形修復課所属の若きエース。綴とは高校の同級生で、27歳彼女持ち。ぽけーっとしていて頼りなさげだが、仕事になったときの実力は本物。
天羽 月見 Amo Tsukimi
三日月幼稚園で働く幼稚園教諭。綴とは幼稚園からの幼馴染。25歳。
おっとりとした物腰が特徴で、鈴蘭を妹のように大事に思っている。