あらすじ
深い闇に閉ざされた鉱山で、過酷な労働を強いられてきた奴隷の青年・アレン。
突然の解放令により自由の身となった彼は、行く当てもなく不毛の辺境にある開拓村へとたどり着く。
草一本生えない灰色の荒れ地、終わりの見えない飢えに苦しむ村人たち。
絶望に支配されたその村で、アレンは自分の中に眠る「大地の声を聞く」不思議な能力に目覚める。
彼が大地に寄り添い、命の気配を呼び覚ましたとき、黄金色に輝くもふもふの土の精霊・コロが姿を現した。
コロと共に土を耕せば、硬い岩盤はふかふかの黒土に変わり、蒔いた種は瞬く間に大人の背丈ほどもある「巨大野菜」へと成長していく!
甘くて瑞々しい規格外の野菜たちは、村人たちの笑顔を取り戻し、やがて飢餓に苦しむ王都をも救う奇跡の恵みとなっていく。
虐げられてきた元奴隷の青年が、大地の精霊と心優しい村娘セリアと共に、枯れ果てた辺境を国一番の大穀倉地帯へと変えていく。
これは、大地の温もりに触れ、愛する人々と最高の豊穣スローライフを手に入れるまでの、優しくて力強い成り上がりの物語。
【登場人物紹介】
◆アレン
元は深い闇に閉ざされた鉱山で過酷な労働を強いられていた奴隷の青年。
王国の奴隷解放令により突然自由の身となるが、行く当てもなく辺境の開拓村へとたどり着く。
寡黙で感情の起伏に乏しいように見えるが、その内面には不器用な優しさと静かな強さを秘めている。
土や岩の微細な震えを感じ取り、大地の奥深くから響く声を聴く不思議な能力を持っている。
◆コロ
アレンが荒れ果てた土地に寄り添い、命の気配を呼び覚ましたことで姿を現した土の精霊。
愛らしい犬のような姿をしており、全身は驚くほど柔らかく豊かな毛並みに覆われている。
圧倒的な温もりと、陽だまりのような湿った土の良い匂いを漂わせている。
大地の生命力そのものであり、枯れ果てた土の上を駆け回るだけで、豊かな土壌へと蘇らせる不思議な力を持つ。
◆セリア
辺境の開拓村でまとめ役を務める老人の娘。
作物が育たない過酷な環境と終わりの見えない飢えに苦しむ村の中で、人々を励まし続ける芯の強い女性。
過労と栄養不足で身体は痩せ細り、手は土でひどく荒れているが、瞳には決して絶望に屈しない強い光が宿っている。
他者を思いやる温かい心を持ち、行き場を失ったアレンにも無償の優しさを向ける。