あらすじ
紀元前401年、疫病と敗戦に喘ぐアテネ 。ソクラテスの弟子である若きクセノフォンは、高潔な理想が飢えの前に無力であることを悟り、友人の勧誘に応じてペルシャ王子キュロスの遠征軍に加わる決断を下す。
彼は師ソクラテスから授かった「真理の探究」という教えを、自らの野心のために「効率的な生存戦略」へと歪めて解釈し、アテネ市民としての誇りを一日一ドラクマの賃金と引き換えに売り渡す。
サルディスに集結した一万三千のギリシャ人傭兵たちは、キュロス王子の掲げる「地方反乱の鎮圧」という嘘を承知で飲み込み、自らを「商品」として戦場へ陳列する共犯関係を結ぶ。
一行は背後のエーゲ海の潮風を捨て、熱砂の内陸へと一線を越えて踏み出していく 。