あらすじ
西国一の大名・大内義隆の治める山口は、「西の京」と呼ばれるほどの繁栄を誇っていた。
だがその裏で、武を重んじる重臣・陶晴賢の存在が、国の均衡を崩し始めていた。
文化を守るため、家臣たちは一つの策を巡らせる。
――絶世の美女を見つけ、大内義隆そして陶晴賢に差し出す。
その贄として選ばれたのは、平川の里に暮らす少女・小夜。
だが彼女は、権力にも富にも屈しなかった。
心に決めた人と生きることを選び、主君の命すら拒む。
その拒絶は、やがて狂気を呼び覚ます。
閉ざされた山の小屋。
逃げ場のない闇。
そして――無数の蛇。
それでも少女は、最後まで屈しなかった。
「美しく生まれたものは、禍いだ」
その怨念はやがて伝説となる。やがて人々はその山をこう呼ぶようになる。
――姫山。
これは、美しさゆえにすべてを奪われた少女の、哀しくも恐ろしい伝説。
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