あらすじ
ヴェリテーゼ王国の王城には、古くから奇妙な噂が囁かれていた。深夜一時、中央階段の踊り場にある大鏡を覗き込めば【"未来の自分"】が映し出されるというのだ。
半ば都市伝説のように語られるその話に、第一王女アリシアは強い興味を抱く。王族として定められた未来ではなく、自分自身が辿る運命を知りたい――その純粋な好奇心が、彼女を深夜の王城へと向かわせた。
静まり返った城内、誰もいないはずの踊り場で、アリシアは一人鏡の前に立つ。だが、時刻が一時を迎えても、鏡に映るのは見慣れた自分の姿だけ。
噂は所詮作り話だったのだと落胆し、その場を去ろうとした瞬間、鏡は突如として淡い光を放ち始める。
驚きながらも再び振り返ったアリシアの目に映ったのは、白い光の中でぼんやりと揺らめく何かの映像だった。
それが未来の自分なのか確かめようと、彼女は鏡へと手を伸ばし、食い入るように覗き込む。しかし次の瞬間、足を滑らせた彼女の身体は、そのまま鏡の中へと引き込まれてしまう。
目を覚ました先は、見知っているはずの王城でありながら、どこか歪み、静寂に満ちた異質な世界だった。そこでアリシアは、自分とよく似た“もう一人の存在”と対峙することになる。映し出される未来は真実なのか、それとも選び直せるものなのか。
鏡の奥に閉ざされた世界で、アリシアは自らの運命と向き合うことになる――。