あらすじ

実花は母の優実と母の両親(つまり、祖父母)と静岡の地方都市で生活していた。実花の父親は彼女が生まれる前に死んだということを聞かされて育った。  彼女が小学校二年生になったある日、母が祖父母を載せていた自動車がトラックに追突されて、その三人は世を去ってしまった。  実花は、横浜で学生生活をしている叔母である美乃梨の元に身を寄せることになった。しかし、叔母のアパートは狭く、叔母美乃梨の当時付き合っていた手塚斗真のマンションに移り住むことになった。したがって、実花の新しい生活は三人でスタートすることになった。  美乃梨は斗真に約五年ぶりに入学した大学構内で再会した。実は、斗真は美乃梨の姉である優実の恋人だった人物。姉と斗真の関係は彼が親の海外赴任で次第に音信が途絶えていった。美乃梨にとっては姉のフィアンセでありながら仄かに恋心を寄せていた人物だった。その出会いは美乃梨と斗真の距離を急速に縮めた。なので、彼らは、とくに美乃梨は斗真との結婚を視野に入れて、学生生活を謳歌していた。が、突然の姉と両親の死により、姪の面倒を見る羽目になった。  最初の頃、美乃梨は実花の世話を精力的に行っていたが、斗真は実花の中に以前の恋人である優実(実花の母)の面影を見ることになった。その彼の態度と姪の行動が次第に気にかかるようになった。一方で、実花は斗真が優しくしてくれればくれる程、自分の心が斗真に傾くのを幼いなりに強く感じ出し、それは叔母の美乃梨の反感を買うものとなった。実花は自分の初潮の場面を斗真に目撃されパニックに陥った。そのパニックを救ったのが斗真で、実花は彼に身を預ける形で彼に身体を洗ってもらった。それが引き金となり、実花は美乃梨の存在自体を疎ましく思うようになってきた。  美乃梨の就活中に、彼女は田舎の実家に帰って簡単な遺品整理をしている中で姉の日記を見つけ、斗真こそが姪の実花の実の父親であることを知るが、美乃梨の身体に斗真の赤ちゃんを宿したことに嬉しさを持っていた。美乃梨と斗真は結婚し、実花を養子で迎えるという計画を持っていた。  しかし、小学生高学年になった実花の心情はあまりにも混乱していた。叔母美乃梨のお腹が分かる頃、実花は叔母との買い物の帰り道の陸橋で大変な事をしてしまう。救急搬送された叔母は胎児とともに命を落としてしまった。  実花は美乃梨が持っていた母の日記から、自分の父親が斗真であることを知ったが、そのことは斗真に秘密にしたまま。  実花は、母である優実が成し遂げられなかった斗真との結婚を決意する。

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カクヨム2026/03/24
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