あらすじ
異世界への国ごと(県ごと)転移、そして血で血を洗う「第一次西糸島事変」から半年。 法皇国との不可侵条約を結んだ福岡県は、暴力的なまでの復興バブルに沸き立っていた。
だが、平和を謳う街の裏側では、未だに異界の「バグ」が蠢いている――。
福岡市早良区。室見川の干潟に、内側から「酸化鉄」に置き換わり、自力で歩く“錆びた死体”が打ち上がった。 事件の臭いを嗅ぎつけたのは、早良警察署のヨレヨレ刑事・三浦慎吾と、事変で「世界の理をデリートする」ほどの最強の異能(AMDI)に目覚めてしまった中二病の少年・後藤零。
「……あー、やっぱりな。平和すぎるのも不健康でいけねえ」 「……フッ。この世界のバグは、僕の『聖なる虚無(アポカリプス・ボイド)』で消去してあげるよ」
コンプラ重視のエリート新人刑事・瀬戸を巻き込み、非公式の独自捜査に乗り出した彼らが辿り着いたのは、復興利権に群がる悪徳県議と、愛宕山の地下で密かに進められていた異界の宗教組織「ベルド修道士会」による不浄な儀式だった。
愛宕山の底から這い出る“錆びた巨人の使徒”に対し、物理法則をねじ伏せる中学生の「否定」と、大人の刑事が振るう「凪」の力が炸裂する!
しかし、彼らが命懸けで世界を救った後、三浦を待っていたのは……最強の力を使った反動で吐き出される少年の「発光するゲロ」と、事件をすべて「ただのガス爆発」として処理する“嘘の報告書”を書くという、地味で過酷な現実だった。
――これは、狂気と魔法が混ざり合う福岡で、街の平穏を「嘘」で塗り固めて守り抜く、大人たちと少年の泥臭い戦いの記録である。