あらすじ
「お前のような足手まとい、勇者パーティーには不要だ」
魔王討伐の旅の途中。
辺境の街の宿屋で、勇者である王子は私にそう告げた。
隣では聖女が「今までお疲れ様でした」と薄笑いを浮かべている。
「……そうですか。わかりました」
私はあっさりと頷き、荷物をまとめた。
前世で大手物流企業のサプライチェーン管理を担っていた私は、過労死の末にこの世界に転生した。
このパーティーで私が担当していたのは、魔法での戦闘ではない。
武器のメンテナンス発注。
ポーションの在庫管理と消費期限の確認。
移動ルートの策定と、安全な宿の事前予約。
つまり、「誰にも気づかれない雑用(兵站)」のすべてだ。
彼らは知らない。
魔物を倒して手に入れた素材が、自動でお金に変わるわけではないことを。
宿屋がいつでも空いているわけではないことを。