あらすじ
職業訓練校で出会ったのは、受講生の「空白」を執拗に責める異様な講師だった。
出来ない者を嘲笑い、自尊心を削ることでしか自分を保てないその女に、私は強い嫌悪を抱く。
三月、修了間際の焦燥に包まれた教室。
居残りした実習室で、誰もいないはずのパソコンが勝手に起動し、「不採用」の文字を打ち続ける。
やがてモニターに現れた講師は囁く。
「空白は許されない」と――。
逃げるように退学したはずの私は、自宅のパソコンで“続きを”見ることになる。
それは履歴書でも、小説でもない。
名前すら奪われていく、終わらない“入力”だった。