あらすじ
40歳、精神障害を抱え、就労移行支援事業所に通う男。若者たちが次々と就職していく中、彼だけが取り残されていく現実に疲弊していた。
そんな中で耳にした「過去に自殺者が出た」という噂。窓際の席にまつわるその話は、なぜか他人事に思えず、心に深く引っかかる。
三月の長雨の中、事業所で「一人多い」違和感、誰もいないはずの席から聞こえるキーボード音、そして“足りない一人”を探す気配。やがて彼は気づく――それは過去の亡霊ではなく、「順番」を待つ存在だということに。
選ばれるのは誰か。
そして自分は、まだ“数える側”なのか、それとも――。