あらすじ

〈エレメンタル〉と呼ばれる異星人とのファーストコンタクトから二年ほど後。地球は突然、正体不明の異星人により、奇妙なゲームの中に閉じ込められた。一週間の後、都内の空き地に降りてくる〈最終試練〉と呼ばれる塔に挑戦者が一名入り、試練を成功させるとゲームクリアとなる、失敗してもひとつだけ実現可能な願い事を叶えるという。  失敗して一週間の最初に巻き戻ること七周目、願い事を「試練の回答を三択にする」「試練の質問を固定する」などと重ね、ゲームクリアが近づきつつあった。地球人らはSNSのコミュニティーで情報交換し、最後の回答を考える。  大学生の真花は二周目のように〈最終試練〉が降りてこない、という事態を回避するためにこれまでと同じ日常を辿りながら、誰も何が起きたのか記憶していない四周目について調べていた。しかし、インターネット上で調査している者たちも誰が四周目の挑戦者だったのか、その願い事が何だったのかも知らず、知られない事が挑戦者の望みのひとつでもあるとされていた。  ゲームの終わりを感じながら、真花は感情のない〈エレメンタル〉への不信が人類に強くなっていることにやりきれなさを覚える。人々は最後の願い事は二度と異星人が地球に立ち入れないようにしようと話し合う。  ゲームクリアに反対する活動家団体が接近している情報を見ながら、彼女は親友の夏生といつも通り、〈最終試練〉を見学しに向かう。そこに活動家らが流れ込み、促されてドアに触れると「挑戦は一人一度」と頭の中に声が流れた。  試練は夏生によりクリアされ、異星人は立ち去り地球は日常を取り戻す。しかし最後の願い事で〈エレメンタル〉も去ることになり、後日、過疎化したSNSコミュニティーには動画があがる。  そこには感情豊かな〈エレメンタル〉が繰り返される人々の死に耐えられないと訴える姿があり、真花は自分が四周目の挑戦者として何を願ったのかを思い知った。

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カクヨム
カクヨム2026/03/23
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