あらすじ
人々が霊を身に宿し、その力で都市を守る時代。
名門・皇継学園では、新入生は入学の儀で必ず“憑霊”を得る。獣のような霊、武器のような霊、守護する霊。誰もが何かを宿すはずだった。
だが、主人公・白瀬つむぎには何も降りなかった。
“霊無し”と呼ばれ、訓練でも劣等生扱い。才能のない役立たずとして、学園中の笑いものになる。
そんなつむぎに、ただ一人だけ妙な反応を見せたのが、学園最強の二年生 九条れん だった。
彼は初対面のつむぎを見た瞬間、顔色を変えて言う。
「……おまえ、本当に何もいないのか。じゃあ、いま俺を睨んだ“あれ”は何だ」
誰にも見えない。
誰にも感じられない。
けれど、つむぎの内には確かに“何か”がいた。
彼女に宿っていたのは、霊ではない。
霊たちの上に立つ、あまりにも格が高すぎる存在。
人が知覚できる形すら持たない、古き絶対神だった。
つむぎの力は最初、何ひとつ戦えない。
けれど彼女がそばにいるだけで、暴走する霊は静まり、歪んだ契約はほどけ、隠された本性が暴かれていく。
やがてその“見えない神”の力は、誰よりも危ういれんを救う唯一の鍵になる。
守られるだけだった少女が、誰よりも大切な人のために初めて立ち上がる。
恋を知ったとき、見えなかった神は、ついにその姿を世界へ落とす。