あらすじ
文化祭準備の放課後。
クラスの中心にいながら、どこか一歩引いた場所に立つ少年・永山は、いつも誰かを「見ている」。
穏やかで頼れる彼の視線は、なぜか一人の少女――横内から離れない。
優しさにも似たその気配に、彼女は次第に違和感を覚えていく。
「目を離すと、ろくなことにならないから」
何気なくこぼされたその言葉。
そして、弟との会話から見えてくる過去。
――彼にとって「見ること」は、愛だった。
やがて文化祭当日。
張り詰めていた感情は、静かに、しかし確実に崩れていく。
これは、失うことを恐れ続けた“王様”が、初めて誰かに見つけられる物語。