あらすじ
■あらすじ
「はい、リセット。……あ、今のは三秒早かったかしら」
悪役令嬢ルチア・フォン・ベルシュタインは、死に戻り五万回目にして、ついに「義務的な断罪劇」に飽きてしまった。
彼女が手にしたのは、時を操るタイムストーンと、精巧な魔導人形。
本物のルチアは、ループの隙間にある「南の島のバカンス地」でカクテルを飲みながら、自分そっくりの人形をパーティ会場へ送り込む。
人形が罵倒され、冤罪をかけられ、ギロチンにかけられる様子を、ポップコーンを食べながら鏡越しに観賞する――これこそが、最強の、そして最狂のスローライフ。
「処刑されたのが偽物だと気づいた時の皆様の絶望顔、録画しておけば良かったですわ」
高みの見物を決め込むルチア。しかし、五万十二回目の断罪劇で、王子の口から信じられない言葉が漏れる。
「……ルチア。今回の『人形』は、少し動きが硬いよ」
――え? 今、なんておっしゃいました?
これは、自分だけが観客だと思っていた令嬢が、実は「全員が観客」だった舞台に引きずり戻される、一回限りの終焉の物語。