あらすじ
「……なぜ、なぜ貴方はそんなに人の死に敏感なのですか?氷の狙撃兵では、ないのですか?」
感情も、血も涙もない15歳の少女。
ただ日本兵の不足を解消するために、数十人の少年少女が集った『紅部隊』。
人を殺す事に躊躇がなく、普通の子供とはかけ離れた者達。その中に、一際子供離れした少女が居た。
それが、"世々外夜乃刄"。『紅部隊』の隊長であり、子供で女でありながら中佐という階級を貰った天才女子兵。
『紅部隊』をまとめる位置につく夜乃刄は人間兵器である事を意識し、どんな時も無感情で忠実だった。
そんな夜乃刄を前に、ある一人の軍人が現れた。
"東條冷司"。元々天才肌で、日本軍の中でも一目置かれる存在だった。そんな軍人により、夜乃刄は無理矢理殺してきた感情や本音を表すようになる。
「…………。俺は、平常心を保っているだけだ。本能で人を殺す事すらも躊躇する自分自身を、殺してきた。……だが、お前のせいだ。お前が、……時折、妹のように笑ってくれるようになったから。人間の感情を、思い出してしまった」
これは、死ぬ運命にある少女と軍人が、戦場という過酷な日々の中で絆を深めていく物語。
『俺にとってお前は、人間兵器じゃない。……一人の、愛しい子供なのだ』