あらすじ
「身に覚えがありません。私は、ただ生きていくために働いていただけです」
成績優秀な特待生、高橋陽葵(ひまり)。施設育ちの彼女のささやかな夢は、必死に貯めたバイト代で大学へ行き、自分の居場所を見つけることだった。
――だが、その夢は一瞬で崩れ去る。
いじめっ子が仕掛けた「パパ活女子」という嘘のレッテル。信じていた教師も、親友も、共に育った仲間さえも、彼女を汚物のように蔑み、背を向けた。
大学資金は没収され、退学寸前の停学処分。全てを失い、思い出の丘で絶望に暮れる陽葵が迷い込んだのは、現世の常識が通用しない『あやかしの峡谷』だった。
そこで出会ったのは、圧倒的な霊気を纏った和装の男――最強の怨霊、道真。
「戻りたいか。それとも、ここで生きるか」
現世に絶望した陽葵は、異界の酒場『東風屋』(こちや)で働くことを決意する。
培ってきたバイトスキルを武器に、人ならざる者たちの心を掴んでいく陽葵。しかし、運命は残酷にも、彼女を嵌めた「あの女子高生」を同じ異界へと導いてしまい……。
「嘘つきは、この街に居座る資格なし」
嘘で人を壊した者に下される、閻魔の残酷な判決とは。
孤独な少女が、あやかし達と共に自分の『本当の居場所』を取り戻す、大逆転和風ファンタジー。