あらすじ
彼は、ただの悪役だった――
過去を知るまでは。
ゲームのチュートリアルで、
必ず主人公に斬り捨てられる男。
小太りで、不器用で、
誰にも理解されない“死属性”の使い手。
名を、レイズ=アルバード。
氷と死を司る力を持ちながら、
その真価を一度も見せることなく、
物語の序盤で消えていく“モブ悪役”。
……だが、ある日。
何百回もこのゲームを周回し、
レイズの台詞をすべて記録していたプレイヤーは気づく。
「こいつだけ、何かがおかしい」――と。
矛盾した言動。
意味深な言葉。
そして、死ぬ瞬間に見せる“安堵”。
この男は、本当にただの雑魚なのか?
その疑問に囚われたまま――
次に目を覚ました時、
彼は“レイズ本人”になっていた。
運命は、チュートリアルで終わるはずだった。
だが、彼は知っている。
“死属性”が、
この世界の理を覆すほどの力であることを。
無価値と切り捨てられた力で、
運命をねじ曲げる。
誰にも理解されなかった男が、
すべてを覆す。
そして――
かつて悪役と呼ばれた存在