あらすじ
公爵令嬢リディアーヌは、卒業夜会の場で王太子から一方的に婚約破棄を告げられる。
これまで王太子妃候補として尽くしてきた日々は、冷たい女という言葉とともに切り捨てられた。
傷ついたまま王都を離れた彼女を待っていたのは、北方を治めるグランチェスター公爵セオドアからの静かな招きだった。
そこでリディアーヌは、工房、備蓄倉、市場を見つめる中で、自分の知識や気配りが誰かの暮らしにちゃんと届く喜びを知っていく。
一方その頃、リディアーヌを失った王都では、これまで当然のように整っていたものが少しずつ崩れ始めていた――。
これは、婚約破棄で居場所を失った令嬢が、北方の地で本当の価値と本当の愛を見つける物語。
捨てられたはずの彼女は、やがて誰よりも穏やかで確かな幸せを手に入れていく。