あらすじ

広島・横川駅の南口では、今夜も「初めまして」が交わされる。マッチングアプリを片手に待ち合わせる男女たち。三十代のバツイチ営業マンと保険外交員、二十四歳のフリーターと看護師、五十二歳の警備員と別居中の女性、六十七歳の元教師と料理教室の主宰者。年齢も事情も異なる四組が、嘘と見栄を抱えながら、下町の商店街を歩き始める。 その商店街には、伝説があった。四十年以上、誰もが羨むほど仲睦まじく生きた夫婦の話。しかし二人が逝って二年、誰も踏み込もうとしない「空白の五年」が、静かに眠り続けていた。 金物屋の老主人、和菓子屋の老女将、美容室のオーナー、居酒屋の店主。商店街の人々が少しずつ語り始める言葉の中に、現代の四組それぞれの嘘が解け、本音が芽生え、やがて一つの真実へと辿り着いていく。 渡せなかった手紙が、この街のどこかにある。

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カクヨム
カクヨム2026/03/22
  • 現在の作品横川恋模様、七丁目の奇跡