あらすじ
この世界では、団体の価値はテニスで決まる。
勉強でも、他のスポーツでもない。
テニス、ただそれだけだった。
中学、高校、大学、そして企業に至るまで、すべての評価基準はテニスの強さで決まる。
大会の成績、学校ランキング、プロ輩出数。
それらによって学校の予算、設備、スポンサー、入学希望者の数までもが変わる。
強い学校には人が集まり、さらに強くなる。
弱い学校は人が集まらず、さらに弱くなる。
この世界は、テニスを中心に回っていると言っても過言ではなかった。
そして試合では、普通のテニスの技術だけではなく、「技」を使う。
選手は試合前にエネルギードリンクを飲み、体内にエネルギーを取り込む。
そのエネルギーを消費することで特殊な技を使うことができる。
エネルギーを使い切っても、空気中に飛散したエネルギーを特殊な呼吸法で回収し、再び技を使うことも可能だ。
さらに、ごく一部の才能を持つ選手だけが使える力がある。
それが「影」。
影は選手の精神や才能が具現化した存在であり、影を持つ者は持たない者とは次元の違う力を手に入れる。
影を持つ選手は全国でもほんの一握り。
そして、影を持つ者は例外なく、全国の頂点に立つ選手たちだった。
これは、テニスですべてが決まる世界の物語。
そしてこれは、一人の少年が世界一を目指す物語であり――
同時に、もう一人の少年が全てを否定するでもある。