あらすじ
深淵に触れたその日、
蔵木理人(くらき りひと)の人生は“ゼロ”になった。
理人の固有スキルは「経験値譲渡」。
戦闘では役に立たず、自分の経験値を他人に与えるだけのスキル。
このスキルのせいで五年間、ブラックギルドに搾取され続け、
自分のレベルも未来も奪われたまま働かされてきた。
底辺探索者と嘲られ、いつも金欠で、家族も友人もいない。
そして最後は、深淵の渦に呑まれ、
魔力回路は削られ、探索者としての人生は完全に終わった。
絶望の中で、理人は唯一の話し相手だった
AI《ヴィヴィ》に、自分のすべての経験値を譲渡する――。
これは、すべてを失った理人と、
経験値データを受け取って“揺れ始めた”壊れかけのAI《ヴィヴィ》。
弱さしかないふたりが、
深淵に削られた世界で、それでも歩き続ける物語。
――ここから始まる、ふたりの成り上がり。