あらすじ
十九世紀。人の世は、魔術から科学へと変革しようとしていた。
理由のつかない不思議なことを全て魔術のせいにして、摩訶不思議な存在を信じていた時代から、知識を創造し、体系だった学問としての科学を築いて原理を紐解いていく時代へ。
結果には原因がある。何もかもが説明できる。
そんな高揚感に支配されつつある世界の空気の中で、これまで捨て置かれてきた様々な物事が解明され、白日の下に晒されていく。
けれども、この時代にはやはりまだ、説明のできない不思議な事象というものが、確かに息づいていた――
千年以上を生きる不老不死のヴァンパイア・リリアは、終わりの見えない生に倦(う)み、死ぬ方法を求めていた。そんな彼女に仕える少年ルイは、彼女の願いを叶えるため従者として共に旅をしている。
死を求める化け物と、それを支え続ける少年。
終わりを探す二人の旅は、やがて生きる意味を問う物語へと変わっていく。