あらすじ
「セラフィーナ嬢、本日より王家の毒見をお願いいたします」
伯爵令嬢セラフィーナは、その日から宮廷毒見師になった。
味覚が鋭い——ただそれだけの理由で、王族の食事を命がけで試す日々。
三年間、一度も毒を通さなかった。
その報酬は——最後の晩餐に仕込まれた毒だった。
目が覚めると、三年前の朝だった。
任命式の朝。まだ、何も始まっていない。
「——今度は、死なない」
前世で三年間に味わった全ての毒を、私は覚えている。
舌に残る痺れも、鼻に抜ける苦みも、杯の底に沈んだ白い粉の正体も。
そして——あの人が「病」で死んだのではなく、殺されたことも。
セラフィーナは再び毒見師の任を受ける。
今度は従順な道具としてではなく、宮廷に潜む黒幕を暴くために。
差し出された杯に唇をつけ、微笑む。
「……ええ、大丈夫ですわ。この程度の毒なら」
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