あらすじ
■あらすじ
剣道の天才として将来を嘱望されていた本城一は、ある日を境に、試合中に「相手を殺してしまいそうになる感覚」に襲われるようになる。
その恐怖から剣を手放し、京都の大学へ進学した彼は、やがて不可解な体験をする。
それは、まるで自分が“別の時代”を生きているかのような感覚だった。
一方、現代の人材会社で働く高木淳一もまた、幼い頃から現実と見分けのつかない夢を繰り返し見ていた。
その夢は、幕末という時代を生きた“誰かの記憶”のようでもあった。
やがて二人は出会い、気づく。
それぞれの中にある感覚や夢が、単なる偶然ではないことに。
新選組として生きた者たちの想いは、時代を越え、現代へと受け継がれていた。
これは、過去と現在が交差する中で再び巡り合う者たちの、もう一つの物語。
■登場人物
・本城一(ほんじょう はじめ)
沖田総司の来世の人物。
幼少期から剣道に打ち込み、全国でも屈指の実力を持つ天才剣士。
しかし、高校二年生の頃から、試合中に「相手を殺してしまいそうになる感覚」に襲われるようになり、剣道を断念する。
その感覚は、かつて多くの人を斬った沖田総司の記憶に起因している。
・高木淳一(たかぎ じゅんいち)
土方歳三の来世の人物。
人材会社「Infinity」の創業メンバーであり、人事部長。
幼少期から何度も同じ夢を見ており、それが年々現実に近づいていくことに違和感を抱いている。
前世の記憶であることには気づいていないが、人に対して真摯で、どこか責任感の強い人物。
・武田部長
山南敬助に重なる存在。
かつて高木の上司であり、現在も変わらず周囲を気遣う温厚な人物。
夢の中では山南として現れ、高木に語りかける。
・成内巧(なるうち たくみ)
近藤勇の来世の人物。
「Infinity」の代表取締役社長。
社員を第一に考える温厚な人格者であり、周囲からの信頼も厚い。
自身の前世には気づいていないが、人を惹きつける強さを持つ。
・広瀬信也(ひろせ しんや)
市村鉄之助の来世の人物。
本城の高校時代の後輩。
前世が新選組の市村鉄之助であることを自覚しており、本城の正体にも気づいている。
強い忠誠心とまっすぐな性格を持つ。
・上谷香子(かみや きょうこ)
現代を生きる女性。
仕事と転職活動に追われる日々の中で、失恋を経験する。
ある出来事をきっかけに、自分の内面と向き合うことになる。
本作において、現代側の視点を担う存在。