あらすじ

チートの攻撃魔法は強力だった。 魔王軍の砦を一撃で粉砕した——ついでに、周囲の森と街を燃やした。 「深紅の炎帝」イグナシオ。二十二歳の天才炎魔法使い。敵を滅ぼす力は最強。 ——だが、自分の火が何を焼いたかは、一度も確認しなかった。 交易都市ブレンナー。二ヶ月間、燃え続けている。 水魔法では焼け石に水。消す魔法は存在しない。住民は煙の中で祈ることしかできない。 そこに送り込まれたのは、チートなしの「凡人枠」。 前世は——消防署の救助隊長。二十三年間、火と煙と崩れかけの建物の中を走り続けた男。 最期は、逃げ遅れた高齢者を庇って、梁の下で殉職した。 魔法は使えない。剣も持てない。 だが、「火の消し方」だけは——二十三年分、身体に叩き込んである。 「火が燃え続けるには三つの要素がいる。可燃物、酸素、熱だ。このどれか一つを殺せば火は消える」 延焼遮断帯の設置。バケツリレーの組織化。避難経路の確保。夜間見回り。地下火災の窒息消火。 ——全て、前世の消防技術。魔法ゼロ。人力と知識だけの、泥臭い消火活動。 住民を組織し、破壊消防で街を守り、火を出した「英雄」に責任を取らせる。 そしてクライマックスは——山火事で使う禁断の消防技術。 「最大火力を無差別にばら撒くのは猿でもできる。必要な範囲にだけ、極限まで絞って火力を集中させるのが——技術だ」 チートが焼いた街を、チートなしのプロが消す。 祈りでは治らない。消防士が走れば、火は消える。

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小説を読もう2026/03/22
  • 現在の作品チートの攻撃魔法で焼け野原にされた街の火が消えないので、前世が消防士だったから普通の消火活動で鎮火することにした