あらすじ
「聖女候補をいじめる悪役令嬢とは結婚できない」と婚約者に婚約破棄された公爵令嬢ロザリア。けれど彼女が祈りを止め、供物を取り上げ、聖女候補リリアーヌを休ませようとしていたのは嫉妬ではありませんでした。祈りの熱が上がりすぎると命を削ると、亡き王妃の記録と自分の目で知っていたからです。二度も警告を退けられ、正式な覚え書きまで読まれなかったロザリアは、王都を去る前に祝福祭の大祈祷だけを見届けることにします。やがて鼻先から血を落とし、光を暴れさせるリリアーヌへ駆け込んだ彼女は、王妃の形見の聖印で祈りの流れを切り替え、崩れかけた祭壇ごと救ってみせました。聖女いじめだと笑われた介入は、本当は命を守るためのものでした。婚約破棄した王子が言葉を失い、ようやく真相が広場に知れ渡る中、最初から彼女の手の動きを見ていた近衛騎士だけが、次はひとりで止めなくていいと静かに手を差し出します。