あらすじ
魔法学院の落ちこぼれ。長い放浪。今は小さな街で低ランク冒険者をやっている。
ヴァンにできるのは、他人の魔法の「コード」を見て書き換えること。それだけ。自分では攻撃魔法のひとつも撃てない。
安物のランタンと指輪とコインをちょっといじって、街灯を直したり、食堂の保存魔法を修理したり。報酬は銅貨10枚。焼き魚定食が1食食べられれば十分。静かに暮らしたい。それだけが望み。
——なのに。
「あのランタン、禁制魔道具じゃないか?」
噂が広がる。ギルドが注目する。管理局が嗅ぎつける。謎の組織まで接触してくる。全部こっちは普通にしてるだけなのに、周りが勝手にざわつく。
弁解しようにも、「他人の魔法を書き換えられます」なんて言ったら余計に面倒だ。
逃げたい。でも焼き魚定食が美味すぎて街を離れられない。
飯に釣られ、噂に追われ、面倒ごとに巻き込まれる——おっさん冒険者の食い倒れ冒険譚。