あらすじ
かつて「ピアノの王子様」と呼ばれた高校生・北江吉根は、ある出来事をきっかけにすべてを捨て、山梨の田舎へと逃げるように引っ越した。
ピアノも、過去も、人との関わりも——何もかもを置いて。
そんな彼の前に現れたのは、東京時代の幼馴染・宮良だった。
陸上部のエースで、どこまでもまっすぐな彼は、無遠慮に吉根の心へ踏み込んでくる。
「戻ってこないの?」
「ピアノはもう弾かないの?」
触れられたくなかった過去。
閉じ込めていたはずの感情が、この日を境にこじ開けられていく。
これは、過去を置いてきたピアノの天才が、新しい場所で青春を始める物語。